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2020/10/27
インタビュー
プロフィール  
名前:篠原祥
所属:Ship Broking & Consulting(海運関係)
経歴:金融機関→MBA取得→海運関係
年代:30代後半

MBA(経営学修士)取得後、海運関係の会社へ

新卒で入行した金融機関で約4年間働いたのちに退職し、MBAを取得しました。MBAを取得した理由は、ビジネスを理論(サイエンス)の側面から捉え、学びたかったことと、一度人生を立ち止まって、今後どうしていきたいかを考えたかったから。早稲田大学大学院だったのですが、シンガポールのナンヤン工科大学で学習する機会も得ました。その後、海運関係の会社に入社し、現在まで7年ほど勤めています。

海運関係の会社を選んだ理由は、海外に携わる仕事に就きたかったこと。それから、ビジネスや競争において勝てる会社というのは、競争相手のいないニッチな市場、いわゆるブルーオーシャンで戦う会社だと考え、海運業界の中でもニッチな市場で戦う会社を選びました。

海運関係の仕事で出張中に撮影した1枚

 

見て見ぬふりはしたくない

小さい頃から冒険が大好きで、行ったことのない国や地域を調べたり、どんなところか想像したりするのが好きでした。その気持ちは今も変わっておらず、海外に興味を持つきっかけになったと思います。

大学には、大学の全サークルをまとめる生徒会のような組織があり、10月の大学祭までの約半年間は、大学祭実行委員会が組織され活動を行います。その実行委員会に入ると、大学祭が終わるまでの半年間はまったくサークル活動ができなくなってしまうため、立候補する人はあまりいません。でも、誰もやりたがらないので、大学1年生の時に自ら手を挙げました。翌年のリーダー的な役職にはさらに誰もやりたがらなかったため、また立候補しました。大学生活を振り返ってみると、気づけば実行委員会の活動に打ち込んでいました。逃げることが嫌いで、皆がやりたがらないことこそきちんとやりたいと思う性格だからかもしれません。でも、決して義務感や責任感だけで取り組んでいるのではなく、皆でわいわいしながら目標に向かって何かをやり遂げる達成感が大好きで、むしろ楽しんで取り組んでいました。

その後、社会人となり、MBAを取得したり、海運関係の会社に転職したりと色々経験しましたが、自分の中で転機となったのは、2015年に出張で訪れたパリで、多くの難民を目にしたこと。小さな子供も毛布にくるまり、寒空の中ふるえている。煌びやかなイメージのあるパリでそのような光景を目にし、大きな衝撃を受けました。自分の性格上、見てしまったことは見なかったことにできない。何をすれば良いか、自分の中で答えを探る毎日でした。

会社の夏休みを利用して、カンボジアの農村に行ってボランティアに取り組むこともしたのですが、単発のボランティアだけではどうもしっくりこない。色々と考え、行動するうちにたどり着いた答えが、「NPOで頑張っている人をサポートする」こと。「社会課題をビジネスで解決する」という方法もありますが、ビジネスでは入り込めないような土俵で戦っているNPOに対して、特に資金調達の側面でサポートしたいと考えるようになりました。そんな時に、偶然EMERGEに出会い、私が今出している答えで良いのか、ある意味答え合わせをする目的で参加を決めました。

カンボジアの農村でのボランティア

素の自分をさらけ出せる、「実家」のような場所

EMERGEは、自分のこれまで培ってきた経験や、元来持っている好奇心や価値観を、社会への価値に変えていくことを目的とし、講義やディスカッション、コーチングを通して自分の納得できる答えを見つけていく、3ヶ月間のオンラインプログラムです。

プログラムを通した最大の収穫は、進むべき道が見えただけでなく、具体的な行動にもつながったことです(プログラム内ではEMERGE/出現したものと表現しています)。開始前は漠然とした進むべき道は見えていましたが、それが具体化され一気に行動まで繋がりました。

「NPOで頑張っている人をサポートする」という方向性で良いのか、答え合わせのつもりでEMERGEに参加しましたが、かなり早い段階でその方向性でいきたいという確信を持てました。確信を持つことができたのは、プログラムを通した自分の関心・適性の深堀りや、コンタクトする社会的企業・NPOのアイデア・候補のアドバイスなどをもらい、着想を得られたことが大きかったと思います。また、自分のやりたいことを語り合うことができ、その想いを理解し尊重しあう土俵がEMERGEにあったからこそ、臆せずに自分の想いをさらけ出し、行動につなげることができたと感じています。

また、プログラムの中で取り組んだインドネシアのソーシャルベンチャーKRAKAKOAへのコンサルティングプロジェクトは学びの多い経験でした。KRAKAKOAはFarmer to Barをコンセプトとした高品質チョコレートブランド。インドネシアのカカオ農家への技術支援等をを支援しているソーシャルベンチャーです。参加者3人でチームになり、KRAKAKOAのCEO・サブリナさんへの提案内容を考えたのですが、そのワークショップを通して、思考や仕事の進め方のクセに気づくことができました。

私は普段、船会社の抱える悩みや問題に対して解決策を提示する業務を行っています。多くの場合、緊急性の高い問題が多いので、じっくりと戦略を練っている時間はありません。今回のワークショップにおいても、ついそのクセが出てしまい、急いで解決策を出そうとしていました。他の2人は、たとえば解決策をいくつか考え、丁寧に仮説検証していくなど、私とは異なるやり方で進めていて、それぞれ良さがあった。「そういうやり方もあるんだ」と、自分の視野が少し狭まっていたことに気づかされました。

私にとってEMERGEは、実家のような場所でしょうか。自分を受け入れてくれるかどうか考えなくていい、絶対に自分を受け入れてくれるという確信が持てる場所という意味で、ほっと一息つけるような、暖かな場所だなと感じています。

コンサルティングプロジェクト チームメンバーとの振り返り

本業と社会的事業を両立させ、シナジーを生み出す

EMERGEを終えた今、「本業で結果を出しつつ、社会的事業も行い、相互にシナジーを生み出す」ことを目標に定めました。EMERGEのプログラム中から、サポートしたいNPOについて調査したり、代表の方のお話を伺ったりして、候補のNPOをいくつか絞ったところです。もちろん本業も大事ですし、本業を中途半端に投げ出すつもりもないので、本業もしっかりと続けながらNPOをサポートします。そして、ゆくゆくは本業とNPOが繋がり、相互にシナジーを生み出せたらと思っています。

進むべき道に迷っている人にはEMERGEを勧めたいです。良い意味で半強制的に自分と向き合うきっかけとなるからです。

人生はお祭りです。もし、本業と社会的事業との両立を不安に思っている方がいるなら、「興味があるならまずやってみたらいい」と伝えたいです。応援しています、頑張ってください!

EMERGEプログラム中の写真

インタビュー・記事執筆(鈴木麻由)

 

EMERGEプログラムサイト

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